AJCCを当てるために知っておくべき3つのこと

Ajcc

■1■やっぱり前に行ける馬が有利
13.0-11.3-12.3-11.9-11.7-11.7-11.8-12.1-12.0-12.0-13.0(60.2-60.9)M
12.7-11.3-12.7-12.3-12.2-12.1-12.1-12.2-11.8-11.9-12.3(61.2-60.3)S
12.3-11.8-12.5-12.2-12.7-12.4-12.0-12.1-11.6-11.7-12.6(61.5-60.0)S
12.3-11.3-12.7-12.2-12.0-12.4-12.4-12.2-11.9-11.2-12.0(60.5-59.7)M
13.0-11.9-13.0-12.8-12.7-12.5-11.8-11.4-11.5-11.3-12.3(63.4-58.3)S
12.6-11.3-13.4-13.2-13.3-12.5-12.4-12.3-12.1-12.0-12.2(63.8-61.0)S
12.3-11.5-12.2-11.6-12.1-12.2-12.4-12.5-12.1-11.5-12.7(59.7-61.2)H
12.5-11.1-12.9-12.2-12.4-12.3-11.9-12.3-12.4-11.9-12.1(61.1-60.6)M
12.6-11.7-13.4-13.2-12.1-11.9-12.1-12.0-11.4-11.2-12.0(63.0-58.7)S
12.3-11.2-12.8-12.2-12.3-12.0-12.0-11.8-11.6-11.8-12.0(60.8-59.2)S

前半が上りで、後半が下りというアップダウンの影響も大きいのだが、過去10年間のラップタイムを見るだけで、スローペースになりやすいことが分かる。同じ条件で行われるオールカマーほど極端ではないが、それでもやっぱり前に行ける馬が有利になる。

■2■長くいい脚を使えるタイプ
中山2200mコースの特性として、第2コーナーから最終コーナーにかけて、フォルスストレート(偽直線)を約500m下って最後の直線に向かうことになる。ラスト1000mのラップが速いのはそういうことでもあり、良い脚を長く使えるタイプの馬に適した舞台である。過去の勝ち馬を見てみると、マツリダゴッホしかり、ネヴァブションしかり、瞬発力勝負では分が悪いが、スピードを持続させる力に富んだ馬が強い。

■3■イマイチくんを狙え
古くはマチカネタンホイザやマチカネキンノホシ、エアシェイディから、最近ではディサイファまで、大レースではあと少しパンチ力が足りない馬たちが、AJCCでは見事に勝ち切ったケースが多い。時期的にG1級の馬が出走してこないことで出番が回ってくること、そして、現代の主流の瞬発力とスピードではなく、スタミナとパワーという反対のベクトルを問われるレースになりやすいことが理由として挙げられる。他のレースではなかなか勝ち切れなかったイマイチくんをここで狙ってみるのも面白い。

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ホースマンの愛情に応えるために、サラブレッドはレースで限界を超えて走る

Cover

2015年の週刊Gallopの特集「功労馬に会いに行こう」にナムラコクオーの名を見つけたとき、思わず前のめりになって読み入ってしまった。生きていたのかというのが正直な感想であり、土佐黒潮牧場で悠々自適な生活を送っていると知り、何とも言えない嬉しさがこみ上げて来た。牧場を走るナムラコクオーの後ろ姿を見て、私が自由な身であれば、今すぐにでも高知に飛んでいきたいとさえ思えた。現在ターフで闘う現役のサラブレッドに光が当たるのは当然として、かつての英雄たちのなつかしい表情を見ると、いかに自分が競馬と共に生きて来たかを思い知らされる。

現役を引退した競走馬はどこへ行くのか。素朴な疑問を抱く競馬ファンは多いだろう。ナムラコクオーのように功労馬として生活を送る馬もいれば、乗用馬としての新天地を切り開く馬もいる。もちろん、そうではない馬たちもたくさんいる。馬たちの余生はさまざま。走らなくなった馬を全て功労馬や乗用馬にすることが経済合理性に反することもよく理解できる。だからと言って、完全に割り切ってしまうことが正しいとも思えない。すべての競走馬たちを救うことは不可能だとしても、1頭でも多くの馬たちに手を差し伸べようとする気持ちを私たちは失ってはならない。

サラブレッドはしゃべれない。

どんな扱いを受けようが、ただ黙って、人間にすべてをゆだねて生きていく。
馬が生を受けるとき、父馬と母馬は、人間が人間の都合で選んだ種牡馬と繁殖牝馬である。生まれた子馬は、人間の都合で厳しい育成を受け、人間の都合で売買される。そして、人間の都合で激しいレースを闘わされ、これに勝ち抜いて生き残れば今度は、人間の都合で父馬や母馬として優れた血を伝えることを求められる。

彼らの生涯は、すべて人間の都合によって支配されているのである。

それでも、サラブレッドはしゃべれない。

何という儚い動物なのだろう。わずかなアクシデントでも命を失う過酷な宿命、熾烈な淘汰のための競争、人に委ねられた生活。そういう研ぎ澄まされた毎日を、まるで綱渡りでもするようにして、サラブレッドというガラス細工の芸術作品は、少しずつ少しずつ作り上げられていく。

この美しく儚い動物を守っていきたい、と私は思った。

私が競馬を仕事にしようと決めたのは、そういう思いが原点だった。
サラブレッドの人生を守り、より良い生涯を送れるように、私ができる限りのことをしたい。
牧場での毎日から生まれたそんな思いが出発点になって、私は競馬の世界に足を踏み入れていき、そして、サラブレッドと競馬の魅力の虜になって、離れられなくなった。
(「勝利の競馬、仕事の極意」角居勝彦著 より)

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完成期に入ったレッドエルディスト:5つ☆

★日経新春杯
ミッキーロケット →馬体を見る
キングカメハメハ産駒らしく、前駆には力強さがあり、胴部にも実が入っている。
手脚の長さがやや短く、重心が低いため、距離短縮は望むところだろう。
Pad4star

モンドインテロ →馬体を見る
馬体は華奢に映るように、余計なところに肉が付かず、コンパクトな馬体。
毛艶は少し落ちてきているので、体調的には絶好調とは言えないところ。
Pad3star

レッドエルディスト →馬体を見る
厳寒期にもかかわらず、いつもと変わらない毛艶を誇っていて体調は良い。
古馬になって線の細さも解消されてきて、この馬としては完成期に入った。
Pad5star

ヤマカツライデン →馬体を見る
胴部に長さがある反面、手脚がやや短く、全体的にはアンバランスな馬体。
毛艶は冴えていて、表情からも闘争心が伝わってくる力は発揮できる仕上がり。
Pad3star

ダコール →馬体を見る
昨年の夏から秋にかけて、馬体が充実してみえたが結果が出なかったように難しい。
現時点では毛艶が悪く、馬体もメリハリが欠けていて、あまり良くは見えない。
Pad3star

★京成杯
サーベラージュ →馬体を見る
特に前駆の立派さや首差しの形が父ヴィクトワールピサに似ていて好感が持てる。
全体のバランスが良く、胴部にあと拳1個分伸びが出て来たら最高の馬体になる。
Pad4star

マイネルスフェーン →馬体を見る
馬体としての迫力はないが、バネを感じさせる体つきをしておりいかにも切れそう。
馬体はコンパクトにまとまっており、現時点での完成度としては高い。
Pad3star

コマノインパルス →馬体を見る
首差しがスラリと長く、古馬のように立派な前駆を誇るが、後ろが物足りない。
そのため、どうしても極端な競馬になり、レースの流れに左右されてしまう。
Pad3star

アサギリジョー →馬体を見る
コロンと映る馬体からは、パワーが伝わってきて、今の中山競馬場は合っている。
前後にしっかりと実が入って、距離に不安はあるが、大崩れはしないはず。
Pad3star

イブキ →馬体を見る
ルーラーシップ産駒の馬体はまだサンプルが少なく、分からないところが多い。
前駆から首差しのあたりは理想的だが、トモが弱く脚が流れてしまっている。
Pad3star

アダムバローズ →馬体を見る
パワータイプに属するハーツクライ産駒なので、距離は2000mぐ らいがベスト。
手脚が短く映り、バランスは良くないが、前後躯を含め胴部の充実は素晴らしい。
Pad3star


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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第20回)

Hitokuti20

クインアマランサスと私の一口馬主としての初陣が終わった。ほろ苦いデビューと書くと響きは良いが、そのようなものではない。スタートしてからレースの流れに乗ることができず、終始馬群の後ろをついて回っただけの競馬。脚質的に末脚を伸ばす競馬が合っているということではなく、ただ単純に他馬のスピードに追いつくことができないがゆえの後方追走であった。次走につながる感触もなく、素質の片鱗を感じさせる瞬間もなく、夢も希望もない負け方を目の当たりにして、私は一口馬主の厳しさを思い知った。一口馬主の世界にはビギナーズラックなどまったくないのだ。

結果はある程度、覚悟していたつもりだが、そうはいってもレースの前夜から当日は気が気ではなかった。近くのコンビニで普段は買わない競馬新聞を買い、自宅でこっそり開いてみると、やはり人気がない。ほとんど印もついていない。父キングカメハメハ×母ヒカルアマランサスという良血にもかかわらず、これだけ注目されずにデビューするのは逆に難しい気もする。隣の枠順にいる、阪神ジュベナイルフィリーズをソウルスターリングが勝って今や飛ぶ鳥を落とす勢いのフランケル産駒のファヴォ―ラが1番人気に推されている。

この彼我の違いはなんだろう。印が多ければ良いということではないことなど重々承知しているつもりだが、分かっていても自分の馬が評価されていないことに対する、行き場のない無念さを感じないわけにはいかなかった。この感覚はどこかで味わったことがある。そう言えば遠い昔、学期末に渡された通知表を見たときのあの気持ちに似ている。言い訳もやり直しもできない、他者評価の厳しさ。私は馬柱欄を見ていることができなくなり、目をそらし、かつて通知表をそうしたように、競馬新聞をそっと閉じた。

今回のデビュー戦において、何よりも辛かったことは、クインアマランサスの走りを生で観ることができなかったことである。それは現地で応援できなかったということであり、またレースをリアルタイムで観戦できなかったという意味でもある。一生に1度しかないデビュー戦ぐらいは、たとえ日本全国どこの競馬場であっても、現地に駆け付けて観戦したかった。パドックから返し馬まで、自分の馬だけを見て、応援馬券を買う。それは(一口)馬主だけに許された体験であり、競馬の楽しみ方のひとつである。

しかし、私はなぜかその日、他の仕事でとてつもなく忙しく、阪神競馬場に赴くことができなかったばかりか、夢にまで見た愛馬のデビュー戦をレース後にレーシングビュワーで観なければならなかったのである。よりによって、年末の忙しいこの時期のこの日に出走させなくても良いのにと憎々しく思えた。クインアマランサスが最後の直線でもがくようにして走る姿を見て、私は自分が初めて選んだ1頭が凡馬であったことを悟り、さらに一口馬主はレースを生で観戦する自由もない、つまり愛馬が出走するレースを自分で選ぶことができないという不自由を突き付けられたのである。

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日経新春杯を当てるために知っておくべき3つのこと

Nikkeisinsyunhai

京都の2400mはスローの瞬発力勝負になりやすい典型的なコースである。スタートしてから最初のコーナーまでが597mとかなり長いため、無理な先行争いもまずなく、1コーナーに入るとひと息入る。最後の直線が長いことを考えると、向う正面で自ら動く馬もさほどおらず、通常、各馬が動き始めるのは丘の坂下から。そこからラスト4ハロンの上がり勝負になる。

実際に過去10年間の日経新春杯のラップタイムを見てみると、その傾向がよく分かる。

2007年 トウカイワイルド
12.5-11.2-11.0-13.0-12.8-13.0-13.8-12.8-11.7-11.7-11.6-12.3(73.5-73.9)M
47.7-52.4-47.3
2008年 アドマイヤモナーク
12.5-11.4-11.3-12.7-12.8-12.6-12.5-12.3-11.9-12.2-12.2-13.0(73.3-74.1)M
47.9-50.2-49.3
2009年 テイエムプリキュア
12.7-11.3-11.7-12.7-12.7-12.6-12.6-12.1-11.6-11.9-11.9-12.8(73.7-72.9)M
48.4-50.0-48.2
2010年 メイショウベルーガ
12.7-10.3-11.0-12.4-12.5-12.4-12.3-12.9-12.1-11.9-12.1-11.8(71.3-73.1)H
46.4-50.1-47.9
2011年 ルーラーシップ
12.6-10.8-10.8-12.7-13.2-12.6-12.6-12.9-11.9-11.1-11.6-11.8(72.7-71.9)M
46.9-51.3-46.4
2012年 トゥザグローリー
12.3-11.0-11.3-12.2-12.3-12.5-12.4-12.8-11.8-11.5-11.7-11.9(71.6-72.1)M
46.8-50.0-46.9
2013年 カポーティスター
12.5-11.6-11.8-12.2-12.3-12.3-12.5-12.5-12.1-11.9-11.6-11.7(60.4-59.8)M
48.1-49.6-47.3
2014年 サトノブレス
13.1-11.5-11.3-12.3-12.0-12.8-12.5-12.2-12.0-11.9-11.0-11.8(60.2-58.9)S
48.2-49.5-46.7
2015年 アドマイヤデウス
12.8-11.3-11.6-12.4-12.4-12.3-12.6-12.7-12.3-11.6-11.3-11.5(60.5-59.4)S
48.1-50.0-46.7
2016年 レーヴミストラル
13.1-11.2-11.8-13.0-12.9-12.4-12.8-12.0-11.6-11.7-11.8-11.6(62.0-58.7)S
49.1-50.1-46.7

前後半のラップタイムから判断すると、ハイペースとなったのは2010年だけで、それ以外の年は、ミドル~スローペースとなっている。何よりも注目すべきは、前半中盤後半に分けた800mずつのラップタイムである。京都2400m外回りで行われる日経新春杯の特徴的な流れとして、「速緩速」もしくは「緩緩速」というリズムのレースが多く目立ち、典型的な上がり4ハロンの競馬になっていることが分かる。

以上のことから、3つのポイントが導き出される。

①内枠有利
②上がりの競馬に強い馬
③サンデーサイレンス直仔の産駒

①の内枠有利は言うまでもない。道中がこれだけスローに流れやすい以上、4つのコーナーで外々を回されてしまう外枠を引いた馬はロスが大きいということである。すんなり前に位置できる脚質の馬であれば大した問題ではないが、ギリギリまで脚を溜めて瞬発力勝負に賭けたい差し馬にとっては、内枠は願ったり叶ったりの枠になる。

3コーナーの丘の坂下から一気に動き始めるレースになりやすい以上、追っつけて伸びるような馬ではなく、一気にトップギアに入り、②上がりの競馬(ラスト4ハロンのスピード勝負)に強い馬にとって有利になる。スタミナよりも、折り合いさえつけばスピードの爆発力の方が問われるということである。

そういった意味において、③のサンデーサイレンス産駒が得意とする舞台であることが分かる。サンデーサイレンス直仔がいなくなった以降のサンプルは少ないが、それ以前の4年間では勝率15%、連対率26%という圧倒的な数字を残していた。今後は父から瞬発力を受け継いだ、サンデーサイレンス直仔の産駒、または母の父がサンデーサイレンスという血統の馬にも期待が出来るだろう。

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シンザン記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Sinzankinen

■1■朝日杯フューチュリティS好走組優位
この時期に行われる3歳重賞ということもあって、朝日杯フューチュリティSで結果を出せなかった居残り組みと、これから上を目指す素質馬のぶつかり合いという図式となる。過去10年の戦績から見ると、完成度が高い朝日杯フューチュリティS組が3勝、2着2回とやや有利で、特に朝日杯フューチュリティSで好勝負していた馬が順調に出走してくれば、ほぼ間違いなく勝ち負けになる。

■2■前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬
同じ時期の同条件で行われる京都金杯と比べ、頭数が少なくなることもあって、ペースはスローに落ちることが多い。開幕2週目で前が止まりにくい馬場であることも含め、前々で競馬が出来る瞬発力に富んだ馬にとってはレースがしやすい。

また、この時期の3歳馬にとって、京都の外回りマイル戦は厳しいレースである。よって、1600mの距離を走ったことのない馬にとっては苦しいレースとなることは避けられない。ちなみに、連対馬20頭中19頭に1600m以上の出走経験があった。

■3■素質馬が集まるジョッキーに変化あり
武豊騎手が1997年から2006年までの10年間で6勝と圧倒的な勝率を誇っていた。2007年も武豊騎手から岩田騎手に乗り替わったもののアドマイヤオーラが勝ったように、武豊騎手にこの時期の素質馬が集まりやすかったと考えられる。しかし、2007年、2008年と岩田康誠騎手と安藤勝己騎手のワンツーが連続したように、この年を境として流れが大きく変わった。もう少し生々しく言うと、各陣営の武豊離れ(武豊騎手一辺倒ではなくなってきているということ)が進んだ。そこから最近は浜中俊騎手が4勝を挙げて世代交代かと思いきや、2015年はなんと武豊騎手がグランチャーレで勝利し、年間100勝を超える復活を見せた。ここ最近で勢いのあるジョッキーに乗ってみるのもひとつの手かもしれない。

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京都芝コースはディープ&キンカメ産駒で決まり!

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昨年の天皇賞秋や香港カップなどを勝ち、華々しく引退したモーリスの母系を辿ってゆくと、私が競馬を始めた頃に活躍していたメジロモントレーを経て、あの寺山修司が愛したメジロボサツに行き着く。メジロ牧場が紡いできた重厚な血が、新星の種牡馬スクリーンヒーローによって活性化されたのであろうか。1歳時にはわずか150万円で取引されたように、決して良血とは言えないモーリスが、世界中のホースマンたちの誰もが認める、スピードとスタミナ、パワーに卓越した名馬になったのだから競馬は面白い。

競馬の血統は奥が深く、複雑であることは確かだが、1頭1頭の馬たちの母系や父系を遡ってみても、どの馬が走る(勝つ)のかを探すという命題においては迷宮入りしてしまう。かといって、血統をロマンだけのための材料にするのももったいない。もし競馬の予想に血統を用いるとすれば、できるだけシンプルな方法でそうするべきである。その中のひとつとして、最も統計的な母数が多い、種牡馬の実績や特性などの傾向を中心に見るというものがある。それだけでは競走馬の半分しか把握できていないことになるが、それでも半分は理解できているとも言える。

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藤田菜七子騎手への提言

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有馬記念や東京大賞典が終わり、年始ぐらいはゆっくりとしたいところではあるが、2016年の競馬を振り返ってみたいという衝動に駆られている。今年の日本の競馬は、小さくも大きく変わったところがあり、後世から見ると歴史の転換点となったと思われる出来事も多かったのではないだろうか。思いつくままに書くと枚挙に暇がないが、それらを5つの論点に分けて綴ってみたい。

まずはJRAの女性騎手としては16年ぶりになるという、藤田菜七子騎手のデビューについて。3月に川崎競馬場で初騎乗したことを皮切りに、4月10日には中央競馬の福島競馬場で初勝利(サニーデイズ)を飾り、その後も騎乗を積み重ね、今年度は地方競馬を合わせて307レースに騎乗した。計7勝、2着12回という成績には確かに物足りなさが残るが、個人的には307回のレース経験を積むことができたことに価値があると思う。

藤田菜七子フィーバーというべきか、所属した厩舎や調教師だけではなく、JRAからマスメディアまでが全面的にサポートした結果、藤田菜七子騎手は武豊騎手と並ぶ、競馬界のアイドルにまで登りつめた。藤田菜七子騎手より前にも、たくさんの女性騎手たちがデビューしたものの、大したサポートを受けずにターフを去っていったことを考えると、彼女の出現と時代がマッチしたからこその一大現象になったのだと思う。競馬の人気を回復させたい競馬関係者たちと、愛くるしいルックスを備えた女性騎手が、お互いを利用し利用される関係を築くことができたのである。

それはそれで良いことであるが、作られた現象は一過性のものになりやすい。藤田菜七子騎手は今のうちにひと鞍でも多く乗り、様々な経験を積み、騎手としての技術を磨いてもらいたい。藤田菜七子だからとか、女性騎手だからという理由ではなく、馬を勝たせてもらいたいから騎乗依頼をされる騎手になってもらいたい。一刻も早く。人々の熱が冷めるのはあっと言う間であり、スキャンダルが表に出たりすれば追い風は逆風に変わるかもしれない。彼女がタレントとしてではなく、騎手として生きていたいと思っている純粋な気持ちは、楽しそうに馬に跨っているその姿を見れば伝わってくる。だからこその提言である。

藤田菜七子騎手の目標とするリサ・オールプレス騎手は8歳の頃から乗馬を始め、20歳の時に見習い騎手として修行を始めた。ハードな見習い時代を経て、2000/01年のシーズンにはニュージーランドのリーディングで3位に入る活躍を見せ始める。見習い騎手としての修業時代を振り返った彼女の言葉は重い。

「お酒はもちろん、車の運転も控えるように厳しく指導されました。毎日、朝から晩まで仕事尽くし。馬に乗るだけではなく、馬房の掃除や餌やりや馬体のチェックなど厩舎作業の全般をこなしました。見習いの4年間は午後の休みが週に1回だけ、本当にハードな毎日だったけど、こなさなければ生き残っていけない。そういう世界ですよね。若い頃は体力をつけるために体も鍛えなければならない。厩舎作業は重たい物を持ったり、本当に大変な毎日でした。母が心配して何度も様子を見に来てくれたりしたけど、そのたびにボス(調教師)に説得されたんですよ」

見習い期間の4年間は、週末や土日も関係なく、休みは1週間に1日の午後のみ。ブラック企業も真っ青なハードワークだが、この時代があるからこそ今があるとリサ・オールプレス騎手は語る。現役の騎手たちだけではなく、世の多くの女性や男性にとっても耳が痛くなるような話である。健康管理や安全管理を徹底せよ。遊んでいては生き残っていけない、何かを捨てなければ何も成し遂げることはできない。彼女がこの4年間で学んだことは、もちろん厩舎の仕事や競走馬にたずさわる知識など多岐にわたるはずだが、何よりも自分の仕事や人生への向き合い方ではなかったのか。自分を信じ、自分の仕事に打ち込むことだ。

幸か不幸か、藤田菜七子騎手には4年間も猶予は与えられていない。誰も見ていない劇場でデビューすることができなかった藤田菜七子騎手は、仕事に臨む姿勢から自分自身に対する信頼まで、成功も失敗も全て見られてしまうのだ。願わくは、彼女の周りに厳しく指導できる大人がいてほしい。そして、繰り返しになるが、藤田菜七子騎手には人一倍、馬に触れて、乗って、学んでもらいたい。遊んでいる時間はない。日本の競馬の未来の一端はあなたにかかっている。

Photo by 三浦晃一

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京都金杯を当てるために知っておくべき3つこと

Kyotokinpai

■1■マイル戦に実績があり、マイル以上のスタミナを持つ馬を狙え
主なステップレースは、朝日CC(1800m)と阪神カップ(1400m)になり、マイル以上のスタミナを持つ馬とマイル以下の距離でスピードを発揮する馬とが、マイル戦の舞台で激突することになる。京都のマイル戦というコース設定を考えると、どちらかといえば朝日CC組を上に取るべきだが、33秒台の速い時計で決着することが常なので、スピード勝負にも対応できる裏づけがないと厳しい。そういった意味では、マイル戦での実績(勝ち鞍)は必要で、マイルCSで好走してきた馬が出走してくれば間違いなく好勝負になる。

■2■勝つはずの馬が勝つべくして勝つレース
前半3ハロンの平均タイムが34秒9、ラスト3ハロンの平均が35秒1と、京都のマイル戦らしく、極めて平均ペースでレースは流れる。つまり、どんな脚質の馬でも勝負になり、展開に左右されて負けるということが稀なレースである。また、スタートから最初のコーナーまでの距離も694mとかなり長いため、枠順の有利不利もほとんどない。勝つはずの馬が勝つべくして勝つレースといえる。

ただし、開幕週ということもあって、直線が平坦な絶好の馬場では前もなかなか止まらないことに注意すべき。過去10年のラップタイムの中でも、前半800mのタイムに注目してみたい。

平成19年
12.3-11.2-11.7-12.2-11.6-11.0-11.6-12.3(47.4-46.5) 1:33.9Sマイネルスケルツィ
平成20年
12.5-11.4-11.4-12.3-11.4-11.3-11.2-12.1(47.6-46.0) 1.33.6S エイシンデピュティ
平成21年
12.6-10.7-11.2-11.8-11.6-11.9-11.4-11.7(46.3-46.6)1.32.9M タマモサポート
平成22年
12.0-10.6-11.6-12.2-11.8-12.3-11.3-12.3(46.4-47.7)1.34.1H ライブコンサート
平成23年
12.3-11.3-11.8-12.0-11.4-11.2-11.4-12.0(47.4-46.0)1:33.4S シルポート
平成24年
12.2-10.5-11.1-11.9-11.9-12.0-11.5-11.8(45.7-47.2)1.32.9H マイネルラクリマ
平成25年
12.4-11.2-11.7-12.1-11.6-11.5-11.2-11.8(47.4-46.1)1.33.5S ダノンシャーク
平成26年
12.4-11.0-11.3-11.9-11.5-11.3-11.4-11.7(46.6-45.9)1.32.5M エキストラエンド
平成27年
12.7-11.3-11.6-11.9-11.3-11.1-11.1-11.8(47.5-45.3)1.32.8S ウインフルブルーム
平成28年
12.3-10.9-11.4-12.2-11.6-11.3-11.6-11.7(46.8-46.2) 1.33.0M ウインプリメーラ

前半の800mが47秒台に落ち着くと、完全に前が有利になっていることが分かる。出走メンバーを見渡してみて、どの馬がどのように逃げるのかをイメージする作業をする際には、この47秒という数字を頭に置いておきたい。

■3■あまりハンデ戦であることを意識しなくてよい
平成8年からマイル戦へと距離が短縮され、高松宮記念や安田記念へ向かうというよりも、昨年の秋シーズンを消化不良で終わったマイラーたちの最終戦的な色合いが濃い。とはいえ、一戦級落ちの実力のあるマイラーが揃うため、ハンデ戦ながらもレベルの高い争いが期待できる。

そのため、勝ち馬の平均ハンデが約56kgと、力のある馬であれば、少々重いハンデを背負ったとしても軽量ハンデ馬に足元をすくわれることはほとんどない。あまりハンデ戦であることを意識せずに、基本的には各馬の力の比較を優先すべきレースである。

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競馬は時々難しく、そして素晴らしい

Arima2016

宣言どおりマルターズアポジーがハナを切り、番手を武豊キタサンブラックが取り、その後ろにゴールドアクターがつける形で隊列は決まった。最初の1ハロンを除く前半1200mが73秒5、後半が72秒3だから、先頭が離して逃げているようにみえても遅いペースで、後続集団はさらにスローに流れた。昨年同様に前に行った馬と馬群の内で脚を溜めることのできた馬たちに有利なレースとなり、そこを中団から外を回りつつも差し切ったサトノダイヤモンドの強さだけが光った。

サトノダイヤモンドは枠順に恵まれず、道中は外を回らされてしまう形になったにもかかわらず、最後の直線ではしっかりと伸び、道中は楽に進めていたジャパンカップ馬のキタサンブラックと昨年の覇者ゴールドアクターをねじ伏せたのだから文句はない。今から思えば日本ダービーで負けてしまったのが不思議だが、夏を越し、手脚を含めた馬体全体に伸びが出て、馬体が完成されたことが大きい。ヨーロッパの馬に近い体型をしているだけに、パワーとスタミナが豊富にあって、来年の凱旋門賞が楽しみである。

クリストフ・ルメール騎手は道中でずっと外を回されるのを嫌い、途中から動いてキタサンブラックの外につけた。サトノダイヤモンドの賢さを信頼していたのと、動いてもそこからもう一度止めて脚を溜められるという自信があったからこそ。あそこで動けるジョッキーと動けないジョッキーの違いは、馬を御す技術の有無である。ルメール騎手にとって、日本の騎手免許を取得してフルに騎乗した年の最後を、このような形で締めくくれたことには感慨深いものがあるのだろう。異国の競馬場でリーディング争いをすることがどれだけ苦しいか、ルメール騎手がここまで来るのにどれだけの涙を飲んできたのか、私には想像もつかない。しかし「競馬は時々難しいけど、素晴らしい」という言葉には、彼の熱い想いが凝縮されているようで、私まで胸が詰まってしまった。

キタサンブラックは道中、自分のリズムで走ることができ、大きなストライドで2500mを最後まで走り切った。勝負所でサトノノブレスに突っつかれたこともあるが(武豊騎手も言い訳のつもりで言ったのではないはずだが、同馬主の馬に突かれるぐらいのことは世界の競馬では当たり前である。日本を一歩出れば、人気馬に乗って誰にも突かれずに逃げられるなんてことはない)、最後のクビ差はジャパンカップの反動だろう。前走は極限の仕上げであり、そこから体調はやや下降線を辿っている中での粘りであったのだから、たとえ勝てなかったとしても最大級の賛辞を送るべきである。サトノダイヤモンドとは互角か現時点ではそれ以上の実力であることは間違いない。

ゴールドアクターは昨年同様に理想的な競馬ができ、この馬の力は出し切っているが、今年は前記2頭の力が上であった。パドック等では入れ込んでいて心配したが、馬体がマイナス6kgとギリギリまで仕上がっていたからこそ。この馬は2400mや3200mではなく、2500mといった非根幹距離のレースが合う。

惜しかったのは4着に突っ込んだヤマカツエースである。スタートしてから前半のポジションが悪かったことで、最後は脚を余してしまった。1頭前のサムソンズプライドが走ったポジションを取ることができていれば、上位3頭に肉薄していたはずである。今年に入ってから徐々に力をつけ、ここに来て2500mをこなせるほどに馬体にも伸びが出てきた。キングカメハメハ産駒は馬体が完成されると続けて好走する傾向があり、4歳秋を迎えたこの馬にもそれは当てはまる。

Photo by 三浦晃一

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有馬記念を当てるために押さえるべき基本は3つある

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スポーツでも学問でもビジネスでも、どのような世界にも基本がある。ここで言う基本とは、過去の実績や経験をもとに、良い結果を出すためには押さえておかなければならないポイントのこと。それは絶対的なものではなく、あくまでも確率が高いということである。競馬(予想)の世界にも同じことが当てはまり、基本に忠実に行うことで筋の良い結論を出す確率がグッと高まる。基本にこだわってばかりでは奇抜な予想を導くことは難しくなるのは確かだが、基本を押さえていないばかりに、的中を取り逃がしてしまうことの方がはるかに多い。

というわけで、今年最後のG1レースとなる有馬記念ぐらいは、何としてでも当てるために、基本に忠実に考えてみたい。有馬記念を当てるための基本的な考え方は以下の3つである。

1、 世代交代が行われる
2、 牝馬にとっては厳しいレース
3、 必ずしも強い馬が勝つとはいえない

(週刊Gallopを買い忘れた方や、超馬券のヒントだけ読みたい方はこちら
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古馬にも引けを取らない充実ぶりのサトノダイヤモンド:5つ☆

サトノダイヤモンド →馬体を見る
この夏を越して、馬体が成長して、古馬にも引けを取らない充実ぶり。
筋肉のメリハリという点でも素晴らしく、距離にも不安は全くない。
Pad5star

キタサンブラック →馬体を見る
スラリとして迫力に欠ける馬体を見るだけでは、530kg台の馬とは思えない。
この手脚の長い大きな馬体全体を使って走るのだから、そう簡単には止まらない。
Pad4star

ミッキークイーン →馬体を見る
3歳時に比べるとふっくらとして、馬体も成長して古馬らしくなってきた。
それでも、前記2頭に比べると、パワーや迫力という点では明らかに劣る。
Pad3star

サトノノブレス →馬体を見る
馬体全体としてはまとまっているが、このメンバーに入るとパワー不足は否めない。
毛艶もくすんできているように、やや体調が落ちてきているかもしれない。
Pad3star

シュヴァルグラン →馬体を見る
前後躯にしっかりと実が入り、腹回りも大きくなり、4歳秋で馬体はもう完成した。
表情からも気性の素直さが伝わってきて、あとはこの馬のスタミナを生かすだけ。
Pad4star

サウンズオブアース →馬体を見る
5歳暮れを迎えても、筋肉の柔らかさを維持していて、馬体は昨年と変わらない。
毛艶も良く、体調も申し分ないので、あとはレースの流れに乗れるかどうか。
Pad3star

アドマイヤデウス →馬体を見る
昨年時に比べると、明らかに馬体が良くなっており、現時点では絶好調といえる。
馬体を見ると、2500mぐらいまではこなせそうなので、あとは立ち回り次第。
Pad45star

ヤマカツエース →馬体を見る
ここに来て馬体に伸びが出てきており、今ならば2500mの距離もこなせそう。
金杯から走ってきており、疲れを心配したが、馬体を見る限りは杞憂に終わるだろう。
Pad4star

ゴールドアクター →馬体を見る
6歳を迎えようとしている今でも、柔らかい筋肉を誇っていて、力落ちはない。
むしろ若々しい馬体とも見え、欲を言うならば、もう少し筋肉のメリハリがほしい。
Pad3star

マリアライト →馬体を見る
叩かれて良くなるタイプであることは間違いなく、馬体も少しずつ仕上がった。
この時期の牝馬にしては毛艶も冴えていて、この馬の力は発揮できるはず。
Pad3star

アルバート →馬体を見る
昨年時と同じような馬体のつくりで、格好で立っていて、大きく変わらない。
胴部の長さを考えると距離は長い方が合っているが、2500mあれば問題ない。
Pad3star

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中山芝2500m

Nakayama2500t

外回りコースの3コーナー直前からのスタート。第1コーナーである3コーナーまでの距離は192mと短く、スタートしてすぐにコーナーに突っ込む感じ。スタンド前を通る前に馬を落ち着かせておきたいので、スタートしてから最初の直線まではポジション争いよりも各馬折り合いに専念する。

スタンドからの歓声によって馬が行きたがることがあるが、馬を前に置けるとそれを防げる。そのため、前の馬を壁にできる内枠の馬は有利になる。1週目はゆっくりと坂を登り1コーナーに差し掛かる。ペースが上がるのは2コーナーを回って丘の下りにかかった地点から。向こう正面から3コーナーまでの間に、ほぼトップスピードに加速する。ここでのペースが極端に速いと最後の坂での逆転劇が待っている。

中山の2500mというコースにおける特徴はコーナーを6つも回るということだ。そのため道中のペースはあまり速くなることはない。ステイヤータイプの馬が活躍しているのは、スローペースでも折り合いに苦労することがないからであろう。スピードだけで押し切れるコースではないが、マイラーでも折り合いがつくタイプであれば克服はできる。


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集中連載:現代のコアな競馬ファンがすなる一口馬主というものを(第19回)

Hitokuti19

12月は師走であり、師が走るほどに忙しい季節とされている中、いつもはのんびりムードで年越しをする私だが、今年はなぜか忙しい。あっと言う間に今年も終わりに近づき、あわただしく動いているにもかかわらず、何ひとつ片付いていない。日常生活があまりにも忙しいと、ついぞ出資馬のことなど考えている余裕はなくなる。クラブから届くメールには目を通しているものの、既読スルー状態である。ノーザンファームしがらきから、11月24日に栗東トレセンに帰厩した知らせも読み流してしまったほどだ。それ以降は、栗東トレセンでの調教タイムが送られてくるが、どうにも調教のピッチが上がらないことだけは伝わってくる。

助 手 11.27栗坂不 56.4- 40.6- 26.5- 13.3 馬なり余力
  アレラーモ(新馬)馬なりに0.1秒先行同入
助 手 11.30栗坂重 55.5- 40.4- 26.3- 13.2 末強目追う
  ララオーロ(新馬)一杯に0.1秒先行同入
助 手 12. 4栗坂良 61.1- 44.1- 28.1- 13.6 馬なり余力
  ララオーロ(新馬)馬なりに0.3秒先行同入
助 手 12. 7栗坂良 54.7- 40.3- 26.1- 12.9 一杯に追う
  ショウナンサリュー(新馬)一杯に0.1秒先行クビ遅れ
助 手 12.11栗坂良 58.8- 43.0- 27.4- 12.9 馬なり余力
助 手 12.14 栗坂不 56.4- 40.8- 26.0- 12.6 一杯に追う
  キラービューティ(二未勝)馬なりに0.1秒遅れ
助 手 12.18栗坂良 56.8- 41.2- 26.7- 13.1 末一杯追う
  レクセル(新馬)末一杯に0.2秒先行0.2秒先着

これだけ本数を重ねても、坂路の時計が一向に縮まらない。馬なりで追っているわけではなく、一杯に追っても、最高タイムが54秒台しか出ないのである。もしクインアマランサスの跳びが大きくて、身体全体に力がつくのに時間がかかる、晩成のステイヤーであれば、この時期にこのタイムでも悲観することはない。むしろそれはステイヤーの特徴であり、時計が速すぎるよりも良い傾向であるからだ。でもクインアマランサスはそうではない。馬体的にも胴が詰まって前が勝っていて、ピッチ走法で走る、典型的な(ダートの)短距離馬だと私は思っている以上、坂路で時計が出ないと話にならない。つまり、走る能力に欠けていることの証明になってしまうのだ。

高野友和調教師
「7日に坂路で追い切りました。後半の馬場が悪い時間帯でしたので、時計こそ目立つものではありませんでしたが、先週の追い切りと比較するとだいぶ動けるようになってきています。本数を重ねる毎に良化が窺えますから、時間を掛ければ更に良くなってくると思いますので、もう少し様子を見てからデビューの予定を検討したいと思っています」

高野調教師の歯切れが良くないのは当然である。この時期にこのタイムでしか動けないのは非常にマズい、とは口が裂けても言えないだろう。もちろん、負荷を掛けると前さばきが硬くなってしまったり、トモの実の入りが物足りなかったりと身体上の理由を抱えていることも確かだが、それも含めて競走馬として仕上がってこないことが問題なのだ。時間を掛ければ良くなるだろうが、新馬戦はいつまでも待ってくれるわけではない。

高野友和調教師
「先週より動きは良くなっていますが、まだ動き切れていないところがあるので、今週末と来週の追い切りでどこまで良化してくれるかですね。仕上がれば阪神12月25日の芝1600mでデビューさせることを考えていますので、追い切りの感触を確認して出否を検討したいと思っています」

年内にデビューさせたいという想いは私も同じであるが、さすがにこの追い切りの感触や時計で出走しても勝負にならないだろう。レースで使われたことで、競走馬としての意識が芽生え、急激に馬体も成長する馬もいるにはいるが、むしろ中途半端な状態で出走させて、馬体に疲労を残してしまうばかりではなく、精神的にもダメージを負ったり、自信を失ってしまうケースの方が多い。出走させたいが、出走させられないというジレンマがこの師走はより強くなる。私は忙しくて走り回っているのに、クインアマランサスはレースで走ることができずにいるのだから皮肉なものだ。そう思っていると、クラブから一通のメールが送られてきた。

出走予定
クインアマランサス/25日(日)阪神5R・芝1,600m〔54 佐藤友則〕
(除外の可能性があります)


Photo by fakePlace

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パズルのピースのようにはまり合った


朝日杯フューチュリティS2016―観戦記―
ボンセルヴィーソが内枠から飛び出し、外からトラストが2番手につけ、前半のマイルは48秒3、後半が47秒1という超スローペースで流れた。馬場状態こそ多少違え、先週の阪神ジュベナイルフィリーズが46秒7―47秒3だから、今年の朝日杯フューチュリティSは明らかにレースレベル自体が低かった。道中はほとんどの馬たちがレースの流れに乗るのに苦しみ、体力を消耗した一方、後ろから行って折り合いをつけることに専念した馬たちが突き抜けた。スローの展開を考えると、前に行った馬たちに有利になりそうなものだが、自分のペースで走れないという精神的消耗が肉体的なダメージにつながるという良い例である。キャリアの浅い2歳馬同士の争いにおいて、極端なスローペースになってしまったことで、実に不思議な形での決着となった。

勝ったサトノアレスは、メンバー中で最も折り合いがつき、道中の体力のロスが少なかった分、最後の直線で弾けた。デビューからの2戦は札幌の小回りコースが合わずに惜敗していたが、のんびりと走らせて終いの脚を生かす競馬に徹してから3連勝。確実に折り合いがつく賢さと伸びのある馬体を見ても、距離が延びてさらに良さが出そうなタイプである。この馬が本領発揮するのは本来もう少し先であったはずだが、今回のレースは展開が向いたことで偶然にも勝利できたという捉え方で良いだろう。まだ成長の余地を残している馬体であり、来年はどのような馬になるのか楽しみである。

四位洋文騎手は6年ぶりのG1勝利となった。ポジションを無理に取りに行くことをせず、基本的には馬任せのリズムで走らせ、勝負所から綺麗に外を回して追ってくる騎乗をスタイルとしており、現代の日本競馬においてはそれが仇となってしまうレースも少なくないが、今回は馬のリズムと展開、そして四位騎手のスタイルが、パズルのピースのように上手くはまり合った。藤沢和雄厩舎は先週に続きG1レース連勝となり、牝馬と牡馬の2歳チャンピオンを有することになる。今年は関東リーディングの首位に走っているように、厩舎全体としてのリズムも良く、藤沢調教師のファンのひとりとしては嬉しい限りである。

モンドキャンノは距離延長を気にした分、スタートから出して行かず、末脚に賭けたことが功を奏した。体型的にも血統的にもマイルがギリギリのタイプだが、折り合いがつきやすい気性だからこそ、前走同様に今回の好走につながっている。ここまで走ったら勝ちたかったのが正直なところだろうが、勝ち馬のあまりの鋭さに屈してしまった。キンシャサノキセキ産駒は早熟な面があり、将来性という点では疑問符がつく。

ボンセルヴィーソは行き切ったことが正解である。これだけ遅いペースでは、中途半端に2、3番手で折り合おうと苦労するよりは、先頭に立ってしまった方が馬にとっては楽である。こちらも2歳戦に強いダイワメジャー産駒であり、あまりにも人気がなさすぎた。

牝馬ミスエルテは、最後の直線で追い詰めてきてはいるが、伸び切れず4着に敗れてしまった。G1レースで圧倒的な1番人気に推されたこともあり、ある程度の位置を取りに行ったことが裏目に出て、最後の詰めを欠いてしまった。前走のように、馬群から少し離して、折り合いに専念して脚をためていたら、突き抜けていたかもしれない。1週間出走を遅らせて、朝日杯フューチュリティSに臨んできたように、疲れが完全に癒えていなかったのも確かである。現時点では線が細く、バネだけで走っているが、時間をかけて馬をつくっていければ、ソウルスターリングの良きライバルとして凌ぎを削る存在になるはず。

タンビュライトはレースの流れに乗っているように見えたが、追い出してからさっぱり伸びず、馬群に沈んでいってしまった。調教で動かないように、まだ体に芯が入っていない状況であり、これから先の馬である。キャリア1戦で臨んだクリアザトラックは、レースの流れに戸惑い、時計を詰めることができなかった。この馬のスピードを生かすためには、今回だけのことを考えれば、思い切って逃げてしまった方が良かったかもしれない。レッドアンシェルも同じことが当てはまり、この馬の気性の激しさが超スローペースでは仇となった。

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