函館2歳Sを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodate2s

■1■牝馬も活躍しやすい舞台に
牡馬・せん馬 【5・3・5・57】連対率11%
牝馬      【4・6・4・51】連対率15%

パワーとスタミナを要求される洋芝100%の函館競馬場は、開催が進み、馬場が傷むことによって、ますますその傾向は強くなっていく。しかし、2011年までは8月上旬に開催されていたが、2012年から3週間繰り上がって7月となった。函館戦が開幕して8週目であったのが5週目となり、馬場の痛みが少ない状態で行なわれるようになるため、これまで以上にスピードと完成度に優る牝馬が活躍しやすい舞台となるだろう。

■2■1番人気は危険!?
1番人気は過去10年で【3・3・0・3】と、連対こそあれ、さほど勝ち切れていない。函館開催当初に、新馬戦を好タイムで圧勝したスピード馬が1番人気になるからである。上にも書いたように、開催が進むにつれ、素軽いスピードだけではなく、パワーとスタミナも問われる馬場へと変貌する。これによって、スピードを武器に圧勝して1番人気に祭り上げられた馬は苦戦するのだ。ただ、開催が早まったことにより、スピードと完成度の高い馬が勝利する可能性は高まったのも事実。

また、ラベンダー賞を勝った馬も人気に祭り上げられることがあるが、よほど早熟でない限り、この時点で2戦、しかも2勝しているということは、ローテーション的に余力が残っていない可能性が十分に考えられる。ラベンダー賞と函館2歳Sを連勝した馬が地方馬に偏っているのは、身体に負担の掛かりにくいダートを走ってきたからであろう。中央で芝のレースを2戦使ってきた馬は疑ってかかるべき。

■3■外枠有利
函館1200mはスタートから第1コーナーである3コーナーまでの距離が長いため、内枠と外枠での有利不利はほとんどない。あえて挙げるとすれば、開催が進むにつれ、内の方の馬場が悪くなってきているケースが多いので、馬場の良いところを走ることが出来る外枠を引いた馬が有利か。

また、キャリアわずか1、2戦の馬たちによる争いとなるため、馬群の中で揉まれてしまうよりは、多少のコースロスがあろうとも、馬群の外をゆったりと走られる方が力を出し切ることが出来るだろう。そういった意味においても、外枠からスムーズにレースを進められた馬が有利となる。


| | Comments (0)

「地・中・海ケイバモード」にゲスト出演します!

Keibamode

7月17日(火)22:00から、グリーンチャンネルの番組「地・中・海ケイバモード」に、ゲストとして出演させていただくことになりました。その番組名を聞いたとき、うまいこと言うなと思ったのがファーストインプレッションでした。MCの伊藤政昭とアシスタントの大澤玲美さんによるナビゲーションのもと、地方競馬のプロフェッショナル斉藤修氏、中央競馬の久光匡治氏、海外競馬の合田直弘氏による解説や分析を通して、地方も中央も海外もまるごと楽しんで、火曜日から競馬モードになろう!というテーマの競馬番組です。先週行われたレースから今週行われる重賞まで、盛りだくさんです。

番組の流れによって多少は変更があるかもしれませんが、今回私がお話しできればと考えているのは以下の内容です。

・現役馬が減点法で、当歳、1歳馬は加点法で馬体を見る
・馬のプロポーションについて(四角形で見る方法、三角形で見る方法)
・長躯短背について
・馬の脚の見かたについて(前腕、膝、菅、繋ぎ)
・種牡馬別馬体の見かた(ディープインパクト、キングカメハメハ、ロードカナロア、オルフェーヴル)
・馬体から観た函館2歳Sと中京記念の注目馬
・今年デビューする期待の2歳馬についてピックアップ

一口馬主クラブの募集時期でもあり、もちろんPOGのためにも、そして馬券を当てるためにも、知っておいて損はない馬体の知識や見かたばかりです。これだけの内容について語る時間を取っていただけることに感謝しつつ、これを機に「地・中・海ケイバモード」という素晴らしい番組を知って観る人が増え、「地・中・海ケイバモード」を観た視聴者の方々には、馬体を見る楽しみを伝えられたら幸いです。

今週の「地・中・海ケイバモード」
7月17日(火) 22:00~23:00
7月17日(火) 25:00~26:00
7月18日(水) 20:00~21:00
7月18日(水) 25:00~26:00

☆公式ホームページはこちら

| | Comments (0)

ダメージが抜けているかどうか

Jiromaru

ケンタッキーダービーから始まり、2週間後のプリークネスステークス、3週間後のベルモントステークスと続く、アメリカ3冠レースも苛酷ですが、2000mの皐月賞から始まり、2400mの日本ダービー、そして夏を越して3000mの菊花賞と連なる日本の3冠レースもまた違った意味において苛酷です。特に、スピードが重視されている現代のサラブレッドにとって、3歳秋の時点で3000mの長距離レースを走ることは簡単ではないはず。しかも雨が降って馬場が重くなってしまったりすれば、字ズラ以上のスタミナと精神力を問われる厳しい試練になることは間違いありません。

馬にとって最もダメージが残ってしまうのは、以下の3つの条件下で行われるレースです。

1、 長距離戦
2、 不良馬場
3、 レコード決着

ここで言う長距離戦とは、3000mを超えるレースのことを指します。前述したように、スピード化が進む現代の競馬において、長距離戦を走るために生産・育成された馬は珍しく、ほとんどの馬は本質的にはマイル前後を得意とするスピード馬です。そのような馬たちにとって、さすがに3000mを超えるような長距離のレースを完走することは容易ではありません。

本質的には合わない距離のレースを走ると、それだけダメージが残ります。自分の慣れた環境や得意とする舞台であれば感じなかった肉体的・精神的疲労が、そうではない状況下においては尾を引くのは私たち人間も同じではないでしょうか。たとえば、菊花賞を勝った馬や最後まで力を出し尽くして激走した3歳馬が、しばらくの間、目に見えない疲れを引きずって勝ち切れなくなってしまうという現象は毎年のように見られます。現代の日本馬たちにとって、3000mを超える距離のレースはそれだけで苛酷なのです。

不良馬場で行われるレースは、単に走りにくいという理由で、字ヅラの距離以上のスタミナを要求され、肉体的・精神的な疲労も想像を絶します。いつもとは違うフォームで走ったり、必要以上に力を入れて踏ん張ったりすると、あとから身体がガタガタになっていることに気づくことは私たち人間も同様でしょう。

ただでさえ走りにくい中、前を行く馬たちが蹴り上げる泥や芝生の塊が飛んできて顔面を直撃するのですから、レース自体が嫌になってしまう馬もいるかもしれません。そもそも不良馬場を得意とする馬などいません。本質的に合わない馬場を無理して走ったことでダメージが残ってしまうのです。

レコード決着とは、単に硬い馬場で行われたレースということではなく、極限のスピードが問われるようなパンパンの馬場において、全体的に速いラップを刻んだ、内容的に厳しいレースということ。ラスト3ハロンだけの競馬であれば消耗は少ないのですが、スタートからゴールまでしのぎを削るような激しい争いをしてのレコード決着を制する、またはその争いに加わることはサラブレッドの肉体をむしばむのです。

昨年(2017年)の菊花賞は上記の2つ(長距離戦であり不良馬場)に当てはまる苛酷なレースでした。勝ったキセキが未だに復活できていないのは、肉体的にもそうですが、精神的に燃え尽きてしまったことにも原因はあるのではないでしょうか。トリコロールブルーも母父がスピード馬のPivotalであり、3000m戦は間違いなく長かったはずですが、無理をして激走しなかった分、回復も早かったのかもしれません。菊花賞後に2連勝を果たし、休み明けの鳴尾記念では3着と好走しました。精神面に関しては外に表れにくく、見極めにくいという難しさがあるため、まずは肉体的に回復しているかどうかを見るべきでしょう。

函館記念2018出走時
http://www.keibado.com/keibabook/itw/photo06.html

牡馬にしては腹回りがやや巻き上がり気味に映りますが、皮膚は柔らかく、筋肉はふっくらとしていてリフレッシュされた状態を保っています。前走を叩いて、今回は肉体的にも精神的にも走れる状態に仕上がりつつあります。札幌記念まで見据え、今回はどれぐらいの仕上げになるのかがポイントです。友道調教師はマカヒキやワグネリアンを究極の仕上げで日本ダービーを勝たせたように、ここぞと狙いを定めて勝ちにいく手腕には目を見張るものがあります。最終追い切りは上々の動きでしたが、今回は90%ぐらいの仕上がりで臨めるのではないでしょうか。札幌記念とセットでこの馬は狙ってみたいと思います。


Hakodatekinen2018wt

| | Comments (0)

函館記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatekinen

■1■上がり馬が狙い目
G1       【0・2・2・12】 連対率13%
G2       【4・0・1・16】 連対率19%
G3       【3・2・2・22】 連対率17%
オープン特別 【2・5・3・56】 連対率11%
条件戦    【0・0・1・9】 連対率0%

函館競馬場で行われた過去19年で前走がG2レースから4頭、G3レースから3頭、オープン特別から2頭の勝ち馬が出ているように、これまでに実績のある馬ではなく、この夏に力を付けてきた(調子を上げてきた)馬が狙い目である。また、前走がオープン特別であった連対馬7頭中、5頭が巴賞出走馬である。函館記念1本に狙いを定めてきた上がり馬に注目すべき。

■2■2000m以上のスタミナが必要
トニービン、ニジンスキー、ノーザンダンサーなどの血を引く馬たちが活躍しているように、函館競馬場独特の洋芝によって、パワーはもちろんのこと、字ヅラ以上のスタミナが必要とされる。また、速い上がりが求められるレースになることはほとんどないので、瞬発力勝負では分が悪かった馬の巻き返しにも期待したい。

■3■内を通って差を詰めることの出来る差し馬
12.6-11.8-12.7-13.0-12.9-11.9-12.0-11.9-11.7-12.3(63.0-59.8)S
12.2-11.2-11.4-12.1-12.1-12.4-12.0-12.1-12.1-12.7(59.0-61.3)H
12.3-11.0-11.2-11.5-11.8-12.1-12.6-12.4-11.4-12.2(57.8-60.7)H
12.2-11.0-11.5-12.2-12.8-12.4-12.3-12.0-11.8-12.1(59.7-60.6)M
12.5-10.8-11.6-12.0-12.2-12.4-12.4-12.3-11.8-12.4(59.1-61.3)H
12.2-11.0-11.7-11.8-12.1-12.1-12.0-12.0-11.6-12.1(58.8-59.8)H
12.3-11.3-12.2-12.0-11.8-11.7-12.0-11.8-12.3-12.7(59.6-60.5)M
12.6-10.8-11.5-11.7-12.0-11.9-11.8-12.1-12.1-12.6(58.6-60.5)H
12.3-11.0-12.0-12.4-12.3-11.6-11.9-11.7-11.9-11.9(60.0-59.0)S
12.5-11.1-12.0-12.4-12.6-12.3-12.1-12.2-11.8-12.2(60.6-60.6)M

過去10年間のラップ構成を見ると(札幌競馬場で行われた年は除く)、ミドルペースからハイペースとなり、案外スローにはならない、毎年異なった展開で流れていることが分かる。ジョッキーが262mと短い直線を意識するため、向こう正面から既に動き出すからである。そのため、ペースや競馬場のコース形態のわりには逃げ馬が残りにくく、先行馬、そしてさらに、内を通って差を詰めることの出来る差し馬にとって有利なレースになる。


| | Comments (0)

君の名は

Yuichi

熱狂的というわけではなく、どちらかというと付かず離れずという表現が適切だろうか、福永祐一騎手をデビューの頃からずっと応援してきた。その名前の由来を知って、彼を応援しないわけにはいかないと思ったのだ。私の敬愛するミスター競馬と称される野平祐二騎手の祐と、日本競馬史上に残る偉大なジョッキーである父福永洋一騎手の一を取って、彼は名付けられた。彼がジョッキーになるのは運命であり、必然でもあった。ただそうした大きな期待が、彼にとっては大きな重圧や失望となり続けたこともまた事実である。なぜなら彼は野平祐二や福永洋一ではなかったからだ。

どの世界においても、努力の上に才能がある。努力し続けることができるのも才能のひとつだが、頂点を極めるためにはそれ以上の才能が求められる。努力だけでは如何ともしがたい才能である。頭脳でも肉体でも精神でも、ある世界を極めようとすると、そうした自分にはない種類の才能を持った人間が目の前に現れる。どれだけの時間を掛けて努力しても敵わないと悟ったとき、私たちは夢をあきらめて彼らを応援する立場に回ったり、別の生きる場所を探したりするだろう。でもそうはできない人間もいる。その世界で生きることが定められている人たちである。

自分が生きていかざるを得ない世界で、自分には才能がないと知ることはどのような気持ちだろうか。自分にトップに立つ人間が持つ輝きがないと悟り、騎手を続ける気持ちを失ってしまったこともあったに違いない。私たちには見えないところで、福永祐一騎手の心は右往左往していたはずである。それでも彼はいつしかジョッキーを続けることを選んだ。ただ続けるだけ、辞めないだけではなく、ジョッキーとしてできる限りの努力をしようと決心したのだ。藤原英昭厩舎の門を叩き、プライドを投げ捨てて、馬乗りの基本から学んだ。初心に帰り、動作解析やプロのトレーナーをつけ、フィジカルトレーニングを積み、科学的なアプローチで騎乗姿勢を見直し、安定化させた。

今年のダービーの最後の直線で、福永祐一騎手がワグネリアンを追う姿には、そんな彼の努力が凝縮されていた。勝ちたいという気持ちが先走って、少しだけ姿勢が浮いているように見えるのは愛嬌だが、あれだけの状況でも基本に忠実に馬に負担を掛けないように追うことができたからこそ、最後のひとムチに応えて、ワグネリアンがグッと伸びてくれたのだ。もちろん、道中のポジション取りも、馬の御し方も、脚の溜め方もパーフェクトであった。何よりも大一番で、馬を出していく決断をし、実行に移した最後の決め手は、福永祐一騎手の日本ダービーを勝ちたいという強い気持ちであった。それは努力をし続けてきたことで鍛えられた心であり、彼の強い心は才能がない人間による努力の賜物なのである。私には、福永洋一と野平祐二の名を継ぐ福永祐一が輝いて見える。

Photo by fakePlace

| | Comments (0)

プロキオンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Prokions

■1■1番人気が圧倒的に強い
過去11年間で1番人気は【3・3・4・1】と連対率約50%、複勝率約90%という圧倒的強さを誇る。これはが実績馬に有利な別定戦であることが最大の理由である。だからといって1番人気を買えばよいというのは早計で、実績馬がそれほど重い斤量を背負わされないため、力のある馬が順当に勝つというのが本当の意味である。

■2■結局のところ前に行った馬にとって有利なレース
12.3-10.5-11.5-12.0-11.8-11.6-12.6(34.3-36.0)H
12.2-10.6-11.1-11.7-11.9-12.1-12.3(33.9-36.3)H
12.0-11.0-11.5-11.7-11.6-12.0-12.2(34.5-35.8)H
12.3-10.1-11.0-11.9-12.1-12.4-12.9(33.4-37.4)H
12.0-11.0-11.6-11.8-11.6-11.7-12.3(34.6-35.6)H
12.3-10.8-11.5-11.8-12.1-11.8-12.4(34.6-36.3)H
12.1-10.9-11.4-12.1-12.0-11.4-11.9(34.4-35.3)M
12.0-10.7-11.3-11.6-11.5-11.9-13.6(34.0-37.0)H
12.1-11.0-11.0-11.5-12.0-11.8-12.5(34.1-36.3)H
12.2-11.0-11.5-11.8-12.0-11.8-12.3(34.7-36.1)H
12.0-11.1-11.5-12.0-12.3-11.4-12.2(34.6-35.9)H
12.2-10.7-11.2-11.3-11.8-12.0-12.9(34.1-36.7)H
12.2-10.9-11.1-11.8-12.1-12.4-12.4(34.2-36.9)H

過去10年のうち、阪神ダート1400mで行なわれた4レースは、ほぼ例外なくハイペースに流れていて、前に行く馬にとってはかなり厳しいレースとなっていた。なぜなら、阪神1400mダートコース(内回り)の最後の直線は352mと短く、前に行った馬にとって有利という意識がジョッキーに共通に働くため、どの馬もとにかく前に行きたがるからである。それでも先行馬が活躍していたのは、最後の直線が短いから。後ろから行く馬向きの展開になるにもかかわらず、意外と直線が短くて差し切れないという現象が起こっていた。この傾向は2012年から行なわれている中京ダート1400mコースでも変わらず、ハイペースにはなっても、結局のところある程度前に行った馬にとって有利なレースになるはず。

■3■外枠がやや有利
中京ダート1400mコースはスタート地点が芝となっていて、外枠から走る馬の方が芝を走る距離が長い。そのため、外枠に入った馬(特に先行馬)は、内枠に入った馬に比べ、スピードに乗りやすいという利点が生じる。先行・差し馬向きのレースと前述したが、特に外枠に入った先行馬には要注意である。

| | Comments (0)

七夕賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Tanabata

■1■上がり時計不問
12.4-11.5-11.8-11.6-11.7-11.7-11.8-12.0-12.1-12.7(59.0-60.3)H 
上がり3ハロン36秒8
12.3-11.1-12.1-12.2-12.1-11.9-12.0-12.0-12.1-12.5(59.8-60.5)M 
上がり3ハロン36秒6
12.5-11.3-11.9-12.1-12.5-12.0-11.7-11.9-11.7-12.2(60.3-59.5)M 
上がり3ハロン35秒8
12.5-11.5-12.2-12.3-12.6-12.0-11.8-11.7-11.3-12.3(61.1-59.1)S 
上がり3ハロン35秒3
12.5-11.4-12.1-12.2-12.8-12.0-11.7-11.8-12.0-11.9(61.0-59.4)S
上がり3ハロン35秒7
12.3-11.1-12.4-12.4-13.2-12.0-11.7-11.5-11.7-12.2(61.4-59.1)S
上がり3ハロン35秒4
12.3-11.2-12.0-12.3-12.5-12.4-11.8-12.0-12.2-12.4(60.3-60.8)M
上がり3ハロン36秒6
12.1-10.7-10.9-12.3-12.6-12.3-12.1-12.1-11.7-12.1(58.6-60.3)H
上がり3ハロン35秒9
12.2-11.4-11.2-12.0-12.1-11.9-11.9-11.6-11.8-12.6(58.9-59.8)M
上がり3ハロン36秒0
12.0-11.3-11.5-12.2-12.5-12.4-11.8-11.4-11.1-12.0(59.5-58.7)M
上がり3ハロン34秒5
12.0-10.5-11.4-12.2-11.9-12.0-11.6-11.8-11.9-12.9(58.0-60.2)H
上がり3ハロン36秒6

最近はスローに流れる競馬が多く、上がりが速くなる傾向が出てきているが、それ以前は上がりが35秒を切るレースの方が圧倒的に少なかった。馬場の劣化と、息の入らないペースによって、上がり時計が不問になりやすい。軽い瞬発力ではなく、その対極にある、パワーとスピードの持続力が求められるレースである。当然のことながら、こういう上がり時計不問のレースでは前に行った馬が有利になる。

■2■マイラーでもステイヤーでも厳しい
直線の短い小回りコースということもあって、スタート直後からガンガン飛ばしていく速い流れになりやすく、最後は底力の勝負になり、豊富なスタミナが要求される。そのため、純粋なマイラーにとっては厳しいレースとなる。かといって、ステイヤーに向くかというとそうでもなく、ステイヤーは道中の速く厳しい流れに戸惑ってしまうことになる。どちらかに偏っていない、中距離馬を狙い打つべきである。

■3■ハンデがハンデにならない!?
斤量         成績       連対率
51kg以下     【0・0・0・12】   0%
52kg        【2・0・1・12】  17%
53kg        【1・2・2・14】  18%
54kg        【0・1・1・23】   4%
55kg        【1・2・5・20】   12%
56kg        【1・3・2・23】   11%
57kg        【6・2・1・13】   26%
57.5kg以上   【1・2・1・9】   25%

ハンデ戦にもかかわらず、ハンデが重くなるにしたがって連対率が上がる傾向がある。そして、勝ち馬は55kg~57kgのゾーンに集中している。ハンデキャパ―に評価された実力馬が、そのまま素直に力を発揮して結果を出す舞台と考えてよい。

| | Comments (0)

馬の顔を見て賭ける

Jiromaru

サラブレッドの頭って、よく見るとゴツゴツしていますよね。人間のような円形ではないばかりか、ところどころで骨っぽい感じがします。これはサラブレッドの品位を表す上でとても重要な表現なのですが、サラブレッドの頭部は「濡れた和紙を岩に張ったように」皮膚の薄い、「ノミで彫った彫刻のように」輪郭のはっきりとしたものがサラブレッドの利発さや聡明さを表すとされてきました。

サラブレッドの頭の形は、横から見るとよく分かります。耳の付き方や鼻筋の通り方、顎の張り方、口の締まり方など、頭の形や横顔の特徴からは、その馬の性格や知能が分かると言われています。米国ケンタッキー州にあるウィンチェスターファームの代表であり獣医師でもある吉田直哉氏は、馬を観るときは顔が整っているかどうかを見ると言います。

吉田直哉氏
新生子を見て良いと感じるその根拠となるのは、まず顔つきが整っていること。美顔であるべき理由は簡単で、競馬の歴史に名を残す優駿達は皆すっきりした顔立ちをしているからで、顔の良さは馬のレベルを表し、馬体全体のバランスを暗示するバロメーターのようなものだと考えています。私は現在いろいろな国で顧客のためにセリで1歳馬の鑑定をして購入する仕事もしていますが、目の前に曳き出された馬が歩様・馬格とも良い出来であっても、顔が気に入らなければ即リストから外します。この顔つきを観るということについては、新生子に限らず1歳馬や現役競走馬、繁殖牝馬を評価する時にも大切にしています。
「ROUNDERS」vol.4「馬を観る 当歳から1歳馬までのサラブレッド種の評価方法」

僕も馬券を買うときに、馬の顔を見ることがあります。顔が良い悪いというのはあくまでも主観的な評価であって、良し悪しの絶対的な基準はありません。前述の吉田直哉さんも「美顔」、「すっきりとした顔立ち」と表現していますが、それを具体的に述べるとなると困ってしまうはずです。正直に言うと、私たちが誰かの他人の顔立ちを評価するときと同じように、好き嫌いに大きく左右されてしまう面は否めないのです。それでも、良い顔や悪い顔(または好きな顔や嫌いな顔)はたしかにあって、相馬眼がある人が走る馬かどうかを見極めるとき、その根拠のひとつとして顔を考慮に入れていることは間違いがありません。

頭部の形や耳の大きさ、位置、目つきや顎っぱりなど、あらゆる要素が複雑に絡み合って、馬の顔立ちは構成されています。頭が大きすぎる馬はバランス良く走ることが難しく、耳が小さすぎる馬は鈍感になりかねません。気性が悪い馬は目つきが自然と悪く見えますし、カイバ食いが悪い馬は顎が小さくなってしまいます。そうしたパーツの均整が取れていて、整った顔に見えるということは、肉体的そして精神的なバランスが取れているということを暗に示唆しているということです。顔の良い馬は走るとは、つまりそういうことです。

今週のラジオNIKKEI賞に出走するエイムアンドエンドは、整った顔つきでありながら、若駒らしい幼さやあどけなさを残していて好感が持てます。父エイシンフラッシュも母ロフティエイムも大人っぽい顔つきの馬でしたから、父似でも母似でもありません。この先、競走成績を重ねていくにつれて、次第に顔つきが大人びてきて、もう少しシュッとしてくるのでしょうが、現時点では可愛らしい顔立ちをしています。もちろん、馬体もそれに伴って、ふっくらとして余裕があり、本格化までは時間がかかりそうです。それでいてこれだけ走っているのですから、将来的にはさらに走ってくる予感があります。やや先物買いになってしまうかもしれませんが、僕の好みの顔でもあるエイムアンドエイドに賭けてみたいと思います。

Radionikkei2018wt


| | Comments (0)

ラジオNIKKEI賞を当てるために知っておくべき3つのこと

Radionikkei_5

■G1帰りの馬は消し
かつては「残念ダービー」と言われていたほど、ダービーに出走できなかった馬や、出走しても好走できなかった馬が好走したレースだが、過去10年では、前走がG1レース(ダービー、NHKマイルC、オークスなど)であった馬の成績は【1・1・1・18】と奮わない。前走が500万下であった馬の成績【4・4・2・32】と比べると、その差は明らかである。

それもそのはずで、前走がG1レースであった馬は、そのレースに向けて100%の仕上げで臨んでいるからである。目に見える見えないにかかわらず、ほとんどの馬の体調は、良くて前走から平行線、悪ければ下降線を辿って出走してくる。たとえG1レースに出走したような力のある馬でも、走られる状態になければ好走は望めない。

■1800m以上のスタミナ
この時期の福島競馬場は、芝が傷んで力を要する馬場になっている。野芝が成長を始めるものの、1回開催から期間が短いため、馬場の傷みは回復することなく進行していくからである。特に3~4コーナーにかけて内側の芝はかなり傷んでおり、各馬が馬場の良い外々を回すため、必然的に1800m以上の距離を走ることになる。

過去10年間のラップ
12.6-10.8-11.7-12.6-12.2-11.7-11.6-11.4-12.2(47.7-46.9)M
12.4-11.3-12.0-12.3-12.1-11.9-11.9-12.0-12.4(48.0-48.2)M
12.6-11.5-11.4-12.6-12.3-11.5-11.6-11.7-12.1(48.1-46.9)S
12.3-11.8-11.5-12.2-11.9-12.1-12.0-11.4-11.7(47.8-47.2)M
12.4-11.2-11.9-12.6-12.4-12.2-11.7-11.5-12.0(48.1-47.4)M
12.5-10.9-12.4-12.5-12.2-12.2-11.5-11.5-12.2(48.3-47.4)M
12.2-10.4-11.6-11.9-12.1-12.3-12.0-11.7-11.7(46.1-47.7)H
12.4-10.4-12.2-12.3-12.2-11.8-11.8-11.6-11.7(47.3-46.9)M
12.4-10.6-12.3-11.9-12.4-12.4-11.8-11.5-11.7(47.2-47.4)M
12.6-10.9-11.8-12.2-12.0-11.7-11.9-11.6-11.9(47.5-47.1)M

また、過去10年間のレースラップ(上記)を見てみると、アロマカフェが勝った2010年以外は、スローペースにはなっていない。各ジョッキーが直線の短さを意識し、好位を確保するために、前半からある程度厳しいペースでレースが流れていることが分かる。

つまり、以上の2点から、小回りの1800mというコース設定ではあるが、実は字ヅラ(1800m)以上のスタミナが必要とされるのである。

■長くいい脚を使える馬
福島競馬場の最後の直線は297mと短い。そのため、直線に向いてからの追い出すのでは遅く、各馬のスパートは3~4コーナーにかけて既に始まっている。コーナーを回りながらの仕掛けとなるため、一瞬の切れ味は生かしにくく、どちらかというとジワジワと伸びるタイプの馬にとって有利となる。もちろん、福島競馬場で実績のある馬は求められている適性に近いということだろう。

また、菊花賞を勝ったダンスインザダークの産駒や、将来の菊花賞2、3着馬が活躍していることからも、ラジオNIKKEI賞と菊花賞の間には深い連動性があることが分かる。求められている適性(長くいい脚を使える)が似ているということである。つまり、ラジオNIKKEI賞で好走した馬は菊花賞でも好走の確率は高く、逆に菊花賞で好走しそうな(血統の)馬がいれば、ラジオNIKKEI賞でも狙ってみても面白いということだ。

| | Comments (0)

オペラオーが後押ししてくれた


宝塚記念2018―観戦記―
サイモンラムセスが刻んだラップは、前半1000mが59秒4、後半が60秒2。やや前傾ラップではあるが、G1レースとしては決して速くはない。結果から考えても、前が止まらない馬場状態であったと言えるだろう。勝ち馬と3着馬は経済コースを通って、積極的に前々を攻めたことが功を奏し、2着馬は有利とは言えない後方のポジションから外を回してよくぞ差してきた。押し出されるように人気になったサトノダイヤモンドとキセキは前半から行き脚が悪く、どちらもスムーズなレースができなかった。

勝ったミッキーロケットは、前走の天皇賞・春でハイペースを攻めて4着していただけに、冷静に考えるとこのメンバーでは力上位の存在である。好枠を引いて、スタートから勝負所まで、不利なく絶好のポジションを走ることができた。この馬は一瞬の速い脚こそないが、ジワジワと伸びて止まらないタイプだけに、最終コーナーにて前が開いて、早目に動けたことが大きかった。晩成のキングカメハメハ産駒が強いメンバーと走りながら少しずつ力をつけ、自分の型で持てる能力を全て出し切ったからこそG1に手が届いた。

和田竜二騎手は17年ぶりのG1制覇となった。そんなに勝っていなかったのかというのが正直な感想だが、本人にとっては長いトンネルだったに違いない。これと言って技術的に秀でているわけではないが、どんなレースでも積極的に、攻める騎乗を貫くことができる。それゆえに人気よりも上の着順に持ってくることが多いのだろう。自分のスタイルを貫いて、あとは運を天に任せた結果、気が付くと勝利が転がり込んできたということだ。勝つことができる馬はたった1頭であり、最後の勝敗は競馬の神様が決める。その感覚を和田騎手は「テイエムオペラオー後押ししてくれた」とインタビューで表現したのだ。

香港馬ワーザーは、勝ちに等しい内容であった。外枠であったものの、できる限りロスの少ないコースを走らせ、最後はこれ以上ないタイミングで外を回して追い込んできた。それでも勝ち馬と比べると距離ロスがあった分、最後は脚がなくなってしまった。H・ボウマン騎手は、馬を動かせてよし、抑えてよし、追ってよしの3拍子が揃っていて、馬が走る。このレベルの外国人ジョッキーが続々とやってきて、同じレースで勝負しなければならないのだから、和田竜二騎手がテイエムオペラオーで宝塚記念を勝った時代とは隔世の感がある。日本人ジョッキーには厳しい時代だが、ぜひ強い馬が出たら乗せ続けてあげてもらいたい。

3着に入ったノーブルマーズは絶好枠から、勝ち馬の後ろの絶好のポジションを確保し、あらん力を出し切ってみせた。もともと相手なりに走る馬であり、ここに来て少しずつ力をつけてきてもいる。この馬のデビュー戦から、ずっと高倉稜騎手を乗せ続けている宮本博調教師も素晴らしい。ドバイ遠征帰りのヴィヴロスは、間隔が開いて仕上がりが万全とは言えない中でも、自身の力を発揮した。前半で口を割って、力んでしまったのが最後の伸びに響いた。それでも最後まで伸びようとしていたように、今回の好走は秋につながるはずで、エリザベス女王杯が楽しみである。

| | Comments (0)

ステイヤーか中距離馬か、それが問題だ。

Jiromaru

宝塚記念というレースは、中距離馬やマイラーだけではなくステイヤーもが活躍できる舞台です。2000mではなく2200mという僅か200mの違いにより、中距離馬にとってはドンピシャ、マイラーにとってはやや距離が長いがギリギリこなせるかもしれない、ステイヤーにとっては距離が短すぎずという設定になるのです。かつてはメジロマックイーンやマヤノトップガン、ヒシミラクル、最近ではゴールドシップというステイヤーたちが、この宝塚記念を制しています。

ステイヤーと中距離馬のガチンコ対決として思い出すのは、1999年のスペシャルウィークとグラスワンダーの一騎打ちです。結果としては、中距離馬であるグラスワンダーの圧勝に終わりましたが、スペシャルウィークは天皇賞・春で激走したあとの出走であり、安田記念でまさかの敗戦を喫して余力が十分に残っていたグラスワンダーと勝負付けが済んだ訳ではありません。どちらも完調であれば、僅差の勝負になったと僕は今でも思っています。

今年の宝塚記念は小粒なメンバーと言われますが、菊花賞馬や有馬記念馬が満を持して出走するのですから、名勝負を期待できるのではないでしょうか。サトノダイヤモンドとキセキは、どちらも菊花賞馬ではありますが、馬体を見る限りにおいてはタイプが全く異なります。サトノダイヤモンドは典型的な中距離馬の馬体であり、キセキはステイヤーのそれです。

まずは見比べてみてください。

☆サトノダイヤモンド 2018年宝塚記念
http://www.keibado.com/keibabook/itw/photo02.html

サトノダイヤモンドはキセキに比べて手脚が短く、その分、重心が低く映ります。筋肉量は豊富なので、まるで重戦車のようです。菊花賞は能力がずば抜けているため勝てましたが、本質的には2000m前後のパワー勝負を得意とする馬です。そういう意味では、アップダウンの激しい2400mの凱旋門賞では明らかにスタミナ不足でした。

☆キセキ 2018年宝塚記念
http://www.keibado.com/keibabook/itw/photo03.html

キセキは手脚がスラリと長く、胴部や首もスッキリとして伸びがあります。ルーラシップ産駒にしては珍しく馬体が軽く、大きなフットワークを駆使して走り、距離が延びる方が良さを発揮できるタイプですね。決して道悪が得意な馬体ではないため、菊花賞後にガタっと疲れが出てしまったのは頷けます。

両者とも、天皇賞・春をスキップして、宝塚記念に狙いを定めてきたローテーションには好感が持てます。そのせいもあり、サトノダイヤモンドは海外遠征の疲れも癒え、キセキは菊花賞を激走した疲労から回復している兆しが見えます。中距離馬のサトノダイヤモンドとステイヤーであるキセキが、どちらも完調で臨んでくるのですから、あのグラスワンダーとスペシャルウィークでは成し得なかった名勝負を見せてくれるのではないでしょうか。中距離馬が勝つのか、それともステイヤーか?サトノダイヤモンドとキセキの馬体を繰り返し見るたび、まだ見ぬ未来に想いを馳せるのです。2頭の馬連と行きたいところですが、それでは僕らしくありませので、今回はスペシャルウィークのリベンジも兼ねて、ステイヤーのキセキを本命に推したいと思います。

Takaraduka2018wt_2


| | Comments (1)

宝塚記念を当てるために知っておくべき3つのこと

Takara

■1■天皇賞春組有利へ
平成12年より、6月下旬へと日程が変更された。それまでは天皇賞春からの間隔が開きすぎていたため、調整が難しく、多くの馬は本来の力を出し切れない、もしくはここを使わなかった。

しかし、開催時期の変更後は、一転して天皇賞春組の活躍が目立つ。天皇賞春で1~3着だった馬は【5・3・2・20】、天皇賞馬に限っては【3・3・1・5】と実に堅実に走っている。天皇賞春からの間隔が適度に短くなったことが、天皇賞春組にとって有利になったことは間違いがない。もっとも、天皇賞春を勝つには極限に仕上げられたと考えてよく、その反動を考えると、天皇賞春→宝塚記念という連勝は意外と難しい。

そして、当然のことながら、この変更は安田記念組にはマイナスの影響を与える。特に安田記念を目標にして仕上がっていた馬や、安田記念で激走してしまった馬にとっては、中2週で宝塚記念というローテーションはあまりにも厳しい。安田記念は負けていた馬の方がかえって宝塚記念での成績は良い。

■2■スピードとスタミナの高い次元での融合が求められる
宝塚記念をひと言で表現すると、「スピードとスタミナの高い次元での融合が求められるレース」ということになろうか。これは阪神競馬場の2200m内回りというコース設定に拠るところが大きい。

スタンド前の直線を延長したポケット地点からの発走。スタートしてから第1コーナーまでの距離は525mと長いため、前半のラップは速くなりがちである。1~2コーナーにかけてペースは落ち着くが、向こう正面から再び速くなる。3コーナーを回ると、擬似直線が待ち構えていて、ここでさらにペースが上がる。このように、全体的にメリハリのない速いペースになるため、スピードの持続力が問われるだけではなく、確かなスタミナの裏付けがなくてはならない。 枠順による差はほとんどないが、1~2コーナーのカーブがきついため、内に入れなかった馬は外々を回されるはめになる。そういった意味では内枠の方がレースはしやすい。

■3■前走G1レース以外で負けている馬は×
宝塚記念は定量戦であるため、実力の差がはっきりと出てしまうレースである。宝塚記念の連対馬は、ほとんどが天皇賞春か安田記念からの直行組であって、別路線組はごくわずかである。これは、宝塚記念は実力が正直に反映される紛れのないレースであることを意味しており、前走G1以外のレースで敗戦していた馬ではまず勝負にならない。

| | Comments (0)

返し馬で見るべき2つのポイント

Jiromaru

今週の週刊「Gallop」の拙コラムにて、パドックにおける馬の見かたについて書きました。各論を説明し始めると1回のコラムに収まらないため、最も大切なポイントに絞って述べました。つまり、パドックでは馬の身体ではなく心を見よ、ということです。大切なのはこれだけと言っても過言ではありません。パドックという場所で私たちに分かることは、その馬の馬体の良さや仕上がりというよりも、競馬(レース)に向かうにあたっての精神状態だということです。私たちはパドックを歩く馬が発する心のメッセージを読み取らなければならないのです。

そこでは今週のユニコーンSに出走するグリムを例に挙げました。なぜかというと、前走で見た動きや姿が、実に素晴らしかったからです。今年のヴィクトリアマイルが行われた日、私は東京競馬場のパドックにいました。東京10R青竜ステークスの出走馬がパドックを歩き始め、私はいつものように馬の雰囲気を見始めました。さすがにこの時期にダートのオープン戦に登場するだけあって、どの馬たちもパワーに溢れた馬体を誇り、いかにもダート馬らしい身体つきをしていました。

競馬新聞に目を移してみると、6番のスマハマと4番のオメガパフュームが圧倒的な1、2番人気を争っています。勝つのは2頭のどちらかというのが大方の見解ということです。正直に言うと、オメガパフュームは小さくまとまっていてピンときませんでした。対して、スマハマは誰が見ても惚れ惚れするような好馬体で、畏怖堂々と歩き、このメンバーではダート馬としては抜けていると感じました。この馬で間違いないと確信した私は、マークカードを塗り潰そうとしてペンを手に取りました。

しかし念のため、全頭に目を通しておこうと思い直し、9番、10番の馬たちが私の前を通り過ぎ、最後の11番が眼前に現れた瞬間、私はハッと息を飲んだのです。タイプこそ違え、スマハマと同じかそれ以上に馬体を良く見せ、歩き方もスムーズで、それらがこの馬の精神状態の良さを物語っていました。先ほどまではスマハマで鉄板だと考えていた私の心は揺れ動きました。どちらを本命にしようか迷い悩んだ挙句、返し馬を見ることにしました。返し馬を見て馬券を買うことはほとんどありませんが、今回はそれほどに決めあぐねていたということです。

私は返し馬を見るときは、2つのポイントを重視しています。ひとつは、動きの滑らかさです。馬それぞれの身体には個性があるので、絶対にそうでなければならないというわけではありませんが、滑らかに返し馬に入り(走り出し)、滑らかにキャンターに入り、滑らかに止まる、一連の動きの滑らかさを見ます。身体のどこかが痛かったり、体調が悪くて苦しかったり、仕上がりが悪くて硬かったりすると、滑らかさを欠くという形で表出してしまうからです。返し馬への入りは硬かったけど、走っていると柔らかくなったり、ほぐれてきたりする馬もいますので一概には言えないのですが、一連の動作を見て滑らかな馬は良い返し馬と評価するのです。

もうひとつのポイントは、騎手とのコンタクトです。厩務員さんの手を離れて、騎手と1対1になったときに、どのような動きを見せるか。騎手の指示や扶助に対して、どのような反応をするのかをつぶさに観察します。分かりやすくいうと、騎手が行けと行けば行くし、右に行けといえば右、左といえば左、止まれという指示が出たらきっちり止まる。こういった意思疎通ができる馬なのか、また今日は走れる精神状態にあるのかということは非常に重要です。車でたとえると、ハンドルが利くのか、操作性が高いのかということを意味します。

騎手も同じような感覚で返し馬に臨んでいるはずで、ここでのコンタクトが悪いと騎手は不安になるはずです。レースに行って制御が利かなくなって暴走してしまったり、上手くポジションが取れなかったり、馬群を割れなかったりする心配が出てくると、できるだけ安全なレースをしようとして、消極的な騎乗につながってしまうかもしれません。逆に正しく騎手の指示に応えることができる馬であれば、ジョッキーも積極的なレースができ、またその馬もレースの流れにスムーズに乗れて、力を十全に発揮できる可能性が高まるはずです。

青竜Sのグリムの返し馬を見たとき、動きの滑らかさという点でも、騎手とのコンタクトという点でも満点でした。これだけ申し分ない返し馬を見たのは久しぶりな気がして、迷うことなくグリムを本命にすることに決めました。あとは見てのとおりです。馬も人も完璧なレースをしてくれて、スマハマを抑えて勝利したのです。前走は何もかもが思い通りに運んでの勝利だっただけに、今回のユニコーンSも同じように勝てるとは限りませんが、グリムが肉体的にも精神的にも素晴らしい馬であることは確かです。パドックや返し馬でどのような動きを見せてくれるか楽しみですし、レースでも力を発揮して、勝ってくれることを願います。

Unicorns2018wt


| | Comments (1)

函館SSを当てるために知っておくべき3つのこと

Hakodatess

スプリント路線は別定条件が実績馬に有利なことが多く、夏のローカルG3であるこのレースにも例年メンバーは揃う。独特の重い馬場とコース形状によって、底力のあるスプリンターでないと勝ち切ることが出来ないレースとなっている。

■1■重い洋芝で構成される特殊な馬場
函館競馬場の最大の特徴は、路盤に野芝のない重い洋芝である。過去ほとんどのレースの勝ちタイムが1分9秒台で、かなり時計の掛かる特殊な馬場あることが分かる。このことによって、勝ち馬に求められる要素は以下の2つ。

1、ダートをこなせるぐらいのパワーがあること
2、1200m以上のスタミナを有していること

1はダート戦で実績のある馬、もしくはダートに強い血統構成の馬ということである。軽快なスピードや切れ味だけでは苦しく、速い時計のレースで強さを見せたことは、かえってマイナス材料になることもある。

2は1200m以上のレースで実績のある馬ということである。直線に坂のない小回りコースとはいえ、これだけ時計の掛かる馬場だと、軽快なスピードを武器にした1200mがギリギリという馬では厳しい。1400m~1600mをこなせる底力が問われる。そういった意味からは、安田記念(好走)組も信頼できる。

そして、こういった函館特有の馬場だけに、函館競馬場で実績を残している馬はもちろん素直に評価したい。

■2■余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬
過去10年のラップは以下のとおり。
12.0-10.4-11.4-11.7-11.2-12.2 (33.8-35.1)H
11.7-10.2-10.9-11.7-11.9-12.0(32.8-35.6)H
12.1-10.5-11.2-11.5-11.4-11.8(33.8-34.7)M
12.0-10.2-10.9-11.6-11.4-12.1(33.1-35.1)H
11.8-10.4-10.9-11.5-11.4-12.0(33.1-34.9)H
12.1-10.8-11.4-11.9-11.4-11.8(34.3-35.1)M
12.0-10.7-11.4-11.6-11.0-11.8(34.1-34.4)M
11.9-10.8-11.1-11.4-11.3-12.0(33.8-34.7)M
11.7-10.3-11.0-11.6-11.8-11.9(33.0-35.3)H
11.7-10.1-10.4-11.0-11.4-12.2(32.2-34.6)H

スタートしてから第1コーナーまでの直線は489mと長い。ダッシュを利かせた先行馬がそのままの勢いで行ってしまうので、ペースは自然と速くなる。ほとんどのレースは前が速い前傾ラップとなり、直線が短いことを考慮しても、逃げ馬には厳しいペースとなる。余裕を持って先行できる馬、もしくは差し馬を狙うべきである。枠順の内外による有利不利はほとんどない。

■3■牝馬の活躍
平成24年、27年こそ牡馬同士の決着となったが、平成15年のビリーヴから5年連続で牝馬が制したこともある。過去10年の連対率も15%【4・2・5・30】と、牡馬の14%【5・7・4・72】に比べわずかに高い。直線に坂のある中央のコースに苦しめられていた牝馬がローカルの競馬場で巻き返すというパターンである。また、総じてスプリント戦は牝馬でも活躍できる舞台でもある。

| | Comments (0)

ユニコーンSを当てるために知っておくべき3つのこと

Unicorns

■1■現時点での完成度が問われる
過去10年の人気別の着順を見ると以下のとおり。
1番人気  【4・3・0・3】連対率70%
2番人気  【3・3・1・3】連対率60%
3番人気  【3・1・4・2】連対率40%
4番人気  【0・1・0・9】連対率10%
5番人気以下【0・2・6・111】連対率1%

分かりやすいほどに、人気馬が強く、人気順に連対率も高いという結果が出ている。東京ダート1600m戦というコース設定上、実力に劣る馬が勝ち切るのは難しい。とはいえ、将来的にG1馬となったのは過去10年でカネヒキリぐらいしかおらず、このレースの勝ち馬の将来性が高いとは言えない部分もある。つまり、実力だけではなく、現時点での完成度も問われるレースであるということだ。

■2■関西馬が強い
過去10年の関東・関西馬の成績は以下のとおり。
関東馬 【3・4・5・63】連対率9%
関西馬 【7・6・6・64】連対率16%

関東で行われる重賞レースであるにもかかわらず、関西馬が圧倒的に強い。ダートに適性を見いだされた3歳馬が集結する舞台であり、現時点で最も強いダート馬を決めるレースでもある。また、これまでは関西の競馬場で昇竜S、端午Sといった適切なステップレース(マイルよりも距離が長い)があることも、関西馬がユニコーンSで好成績を残せることにつながっている面もあったはず。

■3■スタミナが問われる
ポケットからの発走でスタート直後に80mほど芝コースを走る。外枠の方が若干長く芝コースを走ることができ、それを利して外側の馬が内側に圧力をかけながらコーナーに突入するため、内側の馬は窮屈になりやすい。実質的な第1コーナーは3コーナーとなるため、スタートから第1コーナーまでの距離は670mと非常に長く、先行馬にとっては息を入れることのできない速いペースになってしまうことが多い。それでも、意外と前に行った馬も簡単には止まらない。全体的にペースが緩むところがあまりなく、スタートからゴールまでスピードを持続することが求められ、スタミナがないと克服することが出来ないコースでもある。

| | Comments (0)

«ハービンジャー産駒は脚元の軽い馬を狙え